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トミーウォーカー運営PBW『エンドブレイカー!』、その登録キャラ『ファルス・ランディール』のキャラブログ
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「シャルムーンデイ?」

ファルスの口から零れた疑問符にそうよと軽い相槌を返したのは妙齢の美女。
日暮れまでまだ間のある昼下がり。その穏やかな日差し差し込む店内、窓際に置かれたテーブルで差し向かいの状況。
エルフヘイムに来たばかりの頃、散歩という名の放浪中に見つけた気に入りの店のひとつ。

「聞いた事ないかしら」

向かい合った彼女、そのやや肉厚な唇が動くのを耳で追いながら、目を閉じてひとしきり記憶の書架を辿ってゆく。
閲覧するのは物語、歴史、風俗、習慣。そのどれにも該当するものはない。

「初耳じゃのう」

呟いて、店主手ずから入れてくれた紅茶に口をつける。
しっかりと紅茶の味を残しつつも、濃厚なミルクの味わい。甘みは控えめになっており、そろそろ店主に自分の好みを把握されているらしい事が伝わってくる。
口の端が微かに動いたのに気づいたのか、開いた視界に映るほんのりと赤い唇が微笑を零す。

「結構有名だと思っていたけれど、まあいいわ  説明は要るかしら?」

サービスしてあげると語るココア色の瞳に、ファルスは素直に頷いた。


紅を乗せた彼女の指先が金に輝く毛先をいじる。言葉の合間に揺れるそれにあわせて穏やかに語られる恋物語。仔細に語られたそれは、けれど決して長くない時間の後にその結末へとたどり着く。そしてその恋物語が現在の風習にどう結びついているのかを教えてくれる。

「ね、素敵でしょう」

生き生きとした瞳で語りきった彼女に同意をかえす。簡素な言葉だけだったのが不満なのか、彼女は微かに唇を尖らせた。その様子が、年よりも幼い印象で、なぜか下の義姉を相手にしている時のような気持ちになる。

「そうじゃな、ワシには縁が遠いが。素敵な風習だと思うのじゃ」

苦笑いとも取れる微笑みとともにそう告げれば、意外そうな驚きの顔。何に対しての驚きかは図りかねるが、くるくるとその内心を映す表情に面映い心地になる。

再度カップに口をつけたところで、カランと乾いた音で呼び鈴が鳴る。珍しいことだけれどお客様らしかった。

「ワシはそろそろ行こうかのう。店主殿の接客の邪魔をしては悪いしのう」

席を立って、今日も美味しかったと伝えれば彼女はありがとう光栄だと笑った。

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