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トミーウォーカー運営PBW『エンドブレイカー!』、その登録キャラ『ファルス・ランディール』のキャラブログ
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零れるのは溜息ばかりで、その度に心配そうに窺う誰かの視線を感じる
今日という日に起きた出来事の数々、胸を痛めているのは己ばかりではない
精一杯明るく振舞って皆を心配させないようにする方々に比べ
自分はどうしてこんなにも弱いのか、申し訳なくなって

「少し風に当たってくるのう」    そう残して席を立った

入れてもらったココアのマグカップを手に階段を上る
指先をじんわりと暖める熱に、解きほぐされてゆく張り詰めた心
二つほど階を上がった先の廊下、突き当たりの窓を開けて腰掛ける

開いた窓の向こうに空を覆う紫煙は最早無く、瞬く星がはっきりと見えた
これから先、この都市はなんと呼ばれる様になるのだろう
新しく生えてきた紫樹に因んだ名でも付けられるのだろうか
それとも、変わらぬままだろうか

「今この現状は君が望んだ未来に近づいていますか」そう心の中で問いかける

「私はラッドシティの人々の平和な日常を求める。」と優しい彼女は言った
「犠牲を伴うとしても、それを求める。」と我侭な彼女は言った
その心中を聞くことはできなくなってしまったから断言はできないけれど
彼女の思う犠牲の筆頭は彼女自身だったのではないかと思う

その速さで心のままに駆け、そして去ってしまった聖女様
遠くから見たことがあるだけのその面影を想って目を閉じた

刺すような胸の痛みは無いけれど 締め付けられるような圧迫感はあった
じわりと喉の奥が痛む 閉じた瞼の裏が熱い
カップを包む指先が微かに震えているのを自覚する

貴方に、貴方たちに死んで欲しくはなかった
そんな甘いと自覚できる感傷が湧き上がるのを止められない
二度と戻らない時間に、もう新しくはならない面影に溢れそうになる心の欠片
それが零れてしまわないように小さく息を吐く

エリクシルを手に入れるための争い
彼女は望んでその舞台に上がり、彼女のやり方で振舞った    私だってそれは同じだ

一度争いが始まれば否応無しに変わってしまうものがある
都市によってそれは様々だったけれど
この都市は何が変わって、何が変わらぬままになるのかまだ分からない

だから、その行為の結果を受け止める
目を閉じず、逸らさず見ていこう
やがて来るこの都市との別れの日まで
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