まだ空の端が夜の色を濃く残す頃合いに意識が浮上する。
その理由は寒さのせいか、ここ最近の習慣のせいか定かではない。
未だ水中を漂っているような、軽い浮遊感を振り払らおうと褥を出る。

微かに残っていた温もりのヴェールが剥がれ落ち、
日の内で最も冷えているであろう空気に頬を撫でられて、ようやく眠りが遠退いた。

正直なところ、目が覚めても、たいていの時間は眠い。
日中は陽の光が眩しくてかなわないと思うことさえある。
昼過ぎの斜陽が、暮れ深まりゆく空の色が好きなのは、きっと光が和らぐから。