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トミーウォーカー運営PBW『エンドブレイカー!』、その登録キャラ『ファルス・ランディール』のキャラブログ
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軽い薄絹に腕を通す
暖かな日差しに透けた肌と白のコントラスト


すねほどの長さの裾
指先を覆ってなお長い袖
柔らかなその肌触り

下衣を内帯で軽く結わえ
深い藍色の袖のない上着を重ね
飾り帯を締めて衣を整える

『自分のために舞うときは音の出る身具は付けない』

舞うことを教えた師の言葉

自分のための舞は人に魅せるものではないと
今ならほんの少しだけ理解できる

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「いい人たちばかりみたいだし、とりあえず一安心かな。」

顔を合わせた住人と挨拶をすませ、自室に戻ったファルスはほうと深く息をはいた。
軽く肩をほぐして、声をかけてくれた面々を思い出しながら天井をあおぐ。

気さくに声をかけてくれるみんなに少しだけ戸惑った自分が居た。
自分を人付き合いが苦手なほうだと考えてはいないが、初対面の相手だとやはり身構えてしまう。
話し始めるまでに時間がかかりすぎてしまう。

悪い癖だわとつぶやいて窓枠に腰をおろす。
体重をかけてもきしまない。自分が軽いのか、良い造りをしているからか。
おそらくは両方なのだろう。

きょろきょろと貸し与えられた部屋を見回して、再度ひと息はく。
なんだか落ちつかない。

窓際だから、日がさして暖かいのに。
昼寝にもってこいのぬくもりがかえって落ち着かないなんて、不思議な気分だ。
ここのところ野宿やら安宿で休むことが多かったせいだと自分に言い訳する。

「何はともあれ、ここが今日から私の……家、ね。」

きっと、環境の変化に戸惑っているだけなのだ。なじめるように頑張ろう。
そう決意して立ち上がる。

「とりあえず、買い出しにいくとしましょうか。」

定住生活に必要な日用品を脳内にリストアップしながら、懐の財布を確認する。
当座必要なものは何とかそろえられそうだ。
では出発とつぶやいて、ファルスは戸を開け踏み出した。

「なるほど。」

道の端で、受け取った手紙を読みながら、ファルスはひとり頷いていた。
落ちてくる白髪を耳にかけなおしながら、続きを読み進める。内容は集合住宅への入居勧誘だった。
ここ何日か野宿を続けていたところ、住居を貸しているという人物から手紙を受け取ったのである。

ファルスにしてみればこの手紙は渡りに船だった。
落ち着いて休む場所を確保できるというのはありがたいことだ。
野宿に慣れていないというわけではないが、やはり屋根のある場所のほうが落ち着く。

「デンメルング……不思議な響きの名前ね。」

壁に背を預けたままつぶやく。
どこかでその意味を聞いたことがあるような気がしたがうまく思い出せない。

「行ってみましょうか。」

思考の隅にモヤリとしたものをしまい込んで、ファルスは手紙に描かれた地図で確認した方向へ歩き出した。

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