何よりもまず、戦力差に溜息を吐いた。
生死不明だけは避けようと思っていたけれど、この状況でそれは叶うのだろうか。
扇を握る手の汗に、己の気負いに笑ってしまう。
死のうが生きようが今この時点でできる事、する事は同じ。

己にとって最良を選び取る努力をするだけ。

一戦終えて、致命傷は追わずに済んだことは行幸だった。
戦場から離れてようやく、安堵の息を吐いて座り込む。

そうして、久しぶりに叫んだと、思い返せば大層な口を利いたと思う。
声を荒げたのは、感情のままに言葉を放ったのは何時ぶりの事だろう。

穴を掘って埋まりたくなる。

けれど、項垂れるたり自分を責めるたりする暇があるなら
他にできることは山の様にあるのだと言い聞かせて再度立ち上がる。

省みるのは事が終わったあと、この戦いが終わってからでいい。